クライヴが少年期に今日は狩りではなくてすまないアンブロシア。と語るカットシーン。
いつ頃狩りに出ていたのか考えていたのですが。スパルタの申し子のクレイトスは13歳〰14歳でスパルタ人のアゴーゲ(実戦訓練に近い狩り)に出て行くので。
クライヴもその頃からかと考えています。ホーン種とか狩りに出ていたのでしょう。
アンブロシアに再会してからすっと乗れるはクライヴだけでなく。目を覚まして鍛錬を積み旅に出たジョシュアは別として。
ジルもそうなので5年間の間にチョコボ借りたりして色々と教えてあげていたのでしょうね。
見せて
手ほどきするクライヴと教わるジル。
―借りてきたチョコボでー。
ザンブレク皇国内、ドラゴニエール平原でジルがチョコボに慣れるようにふたりで跨る。
クライヴ「ジル、大丈夫だ。しっかり手綱を掴んで。まずは馬(チョコボ)と呼吸を合わせるのが大事だから、ゆっくりと」
ジル「ええ…」
タッ、タッと歩き出すチョコボ。
クライヴ「真っすぐに前を見るんだ。行くべき方向をこちらが示さないと暴走してしまう。…凶暴なチョコボのキックはかなり強烈だが、魔物に囲まれないようにしてやらないと」
ジル「分かったわ」
クライヴ「トルガルが先導してくれる。慣れてくると揺れるより風を切る速さが心地良くなるさ」
ジル「お願いね、トルガル」
トルガル🐺「ワフッ」
街道や平原を少し回りながらー。
ジル「戸惑っていると、侮られてしまうわね」
クライヴ「元より気性が荒いからな。そしてとても賢い」
チョコボ、クライヴに対し大分合わせて来ているが、ジルへは羽を広げたりしてクエッ!と喚いたりも。
ジル(…私が、隠し事をしているから…)
クライヴ「ジル、怖がらなくて良い。この活動にはどうしても欠かせない移動手段だ。早く慣れてシドとの誓いを果たす為にもー」
ジル「そうね…、お願い」
日が暮れる前にはダダダと走るスピードへと慣れてきた。
貸してくれた主へと返し。初めての経験だったから大変だったはずなのに上出来だと彼女を褒め。手を差し伸べながらノースリーチへ宿を求める。
ジル「クライヴは」
クライヴ「どうした」
ジル「初めて馬(チョコボ)へ乗れた時…どんな気持ちだった?」
クライヴ「俺か?これから実戦もかねての狩りに出るんだという感じかな」
ジル「そう…そうよね…」
長い首筋と人を乗せる大きな背中。そして鷹のような鋭い瞳を見つめられると。
(…見透かされているように思った)
ジル「馬(チョコボ)も人の気持ち、分かるのかしら」
クライヴ「分かる、というか…人を見てくれていると思う。…自分の身を顧みないほどに」
クライヴがそう語った理由はアンブロシアと再会してはっきりとした。
あなたはアンブロシアからの片目をあなたの為ならいとわないほどに強い想いを受け入れる人だったから。
狩りに共に出るのだという意味も。あなたがずっと小さい時からー誰かを守るための戦いをーいつも誰かを助けようとしていたから。
今はそう―シドの名を引き継いで自分をー捨てるほどに。
(今の私が出来るのは…あなたがシドから引き継いだ夢の重みに沈まないように支えること)
クライヴ「野生のは…常に魔物と命の駆け引きをしているのだろうな」
今は双方が黒の一帯に怯えている。
ジル「そうね…ロザリアで草をつばむ姿を見ていると…ずっと穏やかに過ごしていて欲しいと思うの」
クライヴ「狩りの習性はチョコボの野生を活かしたものだとは思っているが…人とずっと長い歴史を歩んできたんだ。
マザークリスタルによる黒の一帯の被害を止めたら。俺たちでなくても嬉々としてさらに動物学者が研究を進めるだろう」
今はまだ動き出せていないんだ、この辺りにしよう。ジル、この調子なら各地をさらに見て回れる。
急ごう。
ええ。
(小さい頃は馬(チョコボ)へ跨り狩りに出るあなたの背を見送っていた)
アンブロシア。そしてジョシュアと再会出来てから。私もジョシュアもアンブロシアと共に迷わずついてきた馬(チョコボ)と共に駆けていく。
為すべきことの為に固い決意と覚悟で前進しているなら、馬(チョコボ)も戸惑いや侮ることもなく全速力で駆けていく。
私たちの様子を見つめながら、アンブロシアがものの見事なチョコボキックを魔物へ決めた後。クライヴが言った。
狩りに出ていた時に獲物を見つけたひりひりした緊張感とはまた違う、アンブロシアの気高さだと。
互いに心を開きあっている一人と一対ならではのその様子にジョシュアも雛だった時はふわふわしていて本当に小さかったのにねと微笑んでいた。
兄と弟ふたり。生まれた時からずっと昨日までいられたみたいにごく自然なやり取りを見守った後。ありがとうね、と優しく自分が跨るチョコボの背を撫でた。
クライヴが狩りにちょうど出始めた年に私は―…。
タボールへつながる道は魔物だけでなく野党やフーゴの部下もいた。彼らを退けつつ。
タボールに潜伏する教団の彼らのことを道中ジョシュアが教えてくれて。明日顔を合わせる前に重要な人物を改めて確認しておきたいと焚き火を3人で囲みながら話し合う。
シリルに…まず会わないとねとジョシュアの様子が重くなったので、クライヴが目を細め。声には出さずともどうやら歓迎はされていないのだと悟った。
「とりあえずは彼らを中心に、で大丈夫だ。
…話を変えるけど兄さんの戦い方を見ていて。アンブロシアとの狩りの経験が今も生きていると感じたよ」
「…お前も行きたいとよく言ってたな」
「屋敷の外へ出られるようになると同時に馬(チョコボ)にはすぐ乗れるように教えられたからね。剣も教わってはいたからなおさらだった」
(戦う意味をあなたたち兄弟はずっと前からー)
「ジル。君はさっと乗りこなしていて。兄さんの傍でそうやって支えてくれてたんだよね。ありがとう」
「…ありがとう、ジョシュア。あなたのそうした面もずっと変わらないのよね」
狩りへ出ていた兄さんを思い浮かべたのもこの地でだった。
ここで目覚めたからか?
それもある…。他に…これは今度また話そう。これは拠点での活動に関わっている。協力したいのは僕も同じだからね。今はタボール、カンベルを目指す時だ。
分かった、明日に備えて休もう。
汲んできた水を沸かし。アンブロシアへ見張りを任せ。彼女が離れたところで身体を拭いている間。兄弟ふたりでわずかな時間、これからは一緒に居られると語り合い。再びジルが戻ってから、3人で身を寄せ合いながら焚き火を見つめた。傍で横たわっていたトルガルの寝息も聞こえる。
「クライヴ」
「…どうした?」
「狩りに出ている間…」
どんなことを考えていたのかしら。
「…獲物を見つけ出し仕留めたという高揚感と…実戦も兼ねて負けられない、だったな」
「兄さんは昔から負けず嫌いだったね。かくれんぼの時なんて…ジルしか見つけられなかった」
(私、クライヴなら見つけられるもの―)
「…お前も…宝探しの時にはー」
「それは兄さんが先に」
「ふたりとも。もう、分かったから」
ふふっと不思議と笑みがこぼれて。
(見せても、良いのかしら)
(見つけたいと思うのなら)
そうした考えが同時に浮かぶ。
分かり合える、とあなたへ伝えたのだから。
ー離れていたあの日々の私を見せて…。
それで、この抗う為の戦いの日々が変わる訳ではない、のに。
それまでの私を見せて、あなたはー。
(あなたの傍で人として)
それが叶うの人でありたいと言葉にしたあの日の通り。
それまで凍った心の奥底を見せようとしなかった罰であり。
あなたを守るという力と意思を同時に失った時だった。