下記はヒロイン勢そろったグッズの時のジルちゃんを参考にしたらくがき。

それに合わせてミニマムと題名をつけた小ネタを書いていました。
FF16本編にはミニマムという小さくなる魔法は出てこないので。
ここだけに置いておきます。
ミニマム
ロズフィールド兄弟―クライヴとジョシュアはものすごい勢いで一冊の本の頁をめくっている。
彼らにとって大切な幼馴染であるジル・ワーリックはふたりのその様子に自身への心配は申し訳なく、そしてふたりのそっくりな仕草に安堵感を感じながら。小さくなった身体を重ねられているクライヴ宛の書類の束に貴重な紙に服装が切られないように腰かけた。
空が覆われてからアカシアの出現と。クリスタルから魔法が使えなくなったこの現実。
最後のマザークリスタルを破壊するまで状況は混沌とし。各国は資源の奪い合い―対人ではなく―国と国民、人そのものを守るための戦いへと思考を切り替え。
3国同盟を風の大陸にて復活もさせた。
真実を掴んだクライヴたちは空に浮かぶ最後のマザークリスタル、オリジンの元へ辿り着く前に各国の代表・協力者・石の剣のメンバーを含めてこのヴァリスゼアの舞台そのものに変革が起きた後にも為すべきことの為に奔走している。
ダルメキアのタボールに近い市場にてある行商人が古ぼけた本を見せてくれた。
空の文明時代の手掛かりになるのかもしれないとギル硬貨を積んでインビンシブルに持って帰ったは良いものの。
その後すぐに石の剣の隊長であるドリスの異変へと気づいた彼らはロザリアへと出て行き。
新しく来たばかりの本は教室で読み書きを学んでいる子供たちにとっては好奇心の的。
黒の一帯ではエーテルがない以上、魔法は使えない。インビジブル拠点ではそれが当たり前となっているので油断とは言わずともこのヴァリスゼアでもう魔法を使うことはないと誰しもが考えていた。
拠点へ帰還した彼らへ、本を開きながらこれはこうなのかなあと分かった箇所だけ子供たちが読み上げると。
…本に宿らせていたエーテルなのか。それともクリスタルなくとも誰しもが使えるように発明されたのか。
対象を小さくする魔法だったのだ。クライヴが慌てて小さくなったジルを掬い上げ、ジョシュアと共に私室へ転がりこんで今に至る。
「…何度読み返しても解除の方法は書いていないね」
「そのままにしていたとはどうしても思えない」
「考えられる可能性としては…そうだね、同じ魔法を唱えて元に戻した」
「そうだな。…何か、試しに使えるものを…」
「兄さんが今使っていない武器はどうかな?ブラックソーンの所に立てかけてあるよね」
僕が取りに行くよ、兄さんとジルはここで待っていて。私室に来る皆は兄さんに用事があるのだから。
急いで出ていた弟のその背を見送ってから、クライヴはジルへ優しく視線を送る。
「ジル、大丈夫だ。これが上手くいけばすぐに元へ戻れる」
彼のその言葉にしっかりと頷き、立ち上がりすらりとレイピアを抜いて構えた。
「この姿で武器も魔法も使えるのね」
「危険が増すだけだろう」
「相手がそう…眠りについたままなら。足音に気づかれることもなく首筋に一突きで…」
「ジル」
執務台の上で利き手を開き。ここへ、と彼は目線で促す。
彼女はすとんと腰かけた。
「真実を知った今となっては…空の文明の時代、魔法をどのように扱っていたのか…そうした考えが浮かんでくるの」
「確かに…子供の頃ゼメキス時代のものだと思って読んでいた内容と真実は全く違っていた。奴が語った通り、奢り誇り高ぶった人の時代。
その証拠である地に堕ちた飛空艇―インビンシブルに俺たちは今いる」
「ええ…マザークリスタルや魔法は誕生したその日から人を幸せにしていない。その考えは今も変わっていないわ」
「俺たちは確かに現実を見てきた…君の考えの通り、この魔法を何に利用していたのか―…このヴァリスゼアの歩みが何もかもすぐに変わる訳じゃない」
それでも。
「君の先ほどの構え方…この世界で共に抗い、俺を守ろうとしてくれたその意思。それは俺の中で現実で真実だ。このヴァリスゼアにおいて決して失わないでいるよ」
「クライヴ…」
小さくなった彼女がことんと首をかしげながら彼を見つめてくれた。
少女の頃から思ってはいたのだが…。こうして君が大切にしたかったものを見出せた今となっては。
この姿の君も―。
「可愛いな」
「え…」
「あ、いや…つい」
思わず出てしまったその一言にどう取り繕うか思考を巡らせようとすると後ろから軽く本の角をあてられた。
「兄さん気持ちは分かるけどいつまでもこうしていられないよ」
結局目論見通り同じ魔法を唱えれば元に戻れたので他に為すべき事柄にそれほど支障は出なくて済んだわけだが。
クライヴに可愛いと言ってもらえたジルはしばらくの間上機嫌だったとか。