望郷組(シリアス)と拠点メンバー(ほのぼの)です。



・たったひとつ


フェニックスを宿すのは、兄さんが相応しいとそう思っていた。
それは残酷な現実と共に砕かれた。
イフリートは―…抹殺対象である。
その前に、知りたいことがある。
取り除いてしまえば、真実は闇の中だ。それでは意味がないだろう、シリル。
この惨劇の背景には、裏がある。
フェニックスゲートにあったものは、空の文明時代のものだと少年だった僕は思っていた。だが―?
教団の皆に宗主として命じる。調査を頼む。
モースの書物―…僕だけの―フェニックスだけの力では到底無理だ―。
それはどうしようもない、現実。
…精神体であれば、封じられると知った。
フェニックスゲートで、あなたを、あなたの姿を13年振りに―。
お互いに真実へと近づいている。だが、あいつは黙ってなどいない。兄さんはフェニックスの力だけでない、イフリートへと顕現し、これからはその力を行使するのだ。
真実を知った今でも僕がフェニックスで良かったとは僕と兄さんもとてもそうだと考えられない。僕らは人ではない、ドミナント、だ。
ただ。たったひとつ、良かったことがあった。あなたが守ってくれた様に僕もあなたを守れたこと。

そしてフェニックスのこの力があなたそのもの—炎の民として受け継がれて来たものを呼び起こす再生の炎であったということだ。

シヴァに覚醒して、ひとつだけ良かったことがあった。
あの男におもちゃにされる。それが召使いとして押し込められていた部屋に乱暴に入って来た男たちの様子から嫌というほど分かった。まだ子供だが、ひときわ美しい。イムラン様の目に適ったのだ。小娘、数年後にはイムラン様へその身で奉仕しろと顎を掴まれ背筋が凍った。
ロザリアの女性たちは強靭な男たちに細い腕を両側から掴まれ、抵抗して叫んでも助けなど来ない。
年の近いあの子と冷たい床で横たわりながら今日という日を終えても。明日は…。
彼女が炎―ベアラーとしての魔法を消そうとして―あの日にあなただけにしないと私は決してあの子から離れなかった。
あの場所で―“儀式”をこの目にした時だった。最初は自分の身に何が起きたのか分からなかった。
次に発せられた言葉はこの化け物。気が付くと拘束具が嵌められ監禁されていた。
汚れた獣めと怒りと共にイムランの命令により手籠めにされていく少女たち。恐怖が満ちていた。
数年経ち―これで兵器として使えるなと人形のように多くの人の命を奪う月日を跨ぎ。
この身は獣、心は凍った。
あなたとまた出会い…完全に溶かされていくまで。

たったひとつだけ、良いことがあった。
あなた以外の男が近づいて来なくて。
あなただけが触れてくれて。あなたの腕の中にいられること。


・まなざし

望郷組

父のそのまなざしから、フェニックスを宿しているから公主になるのだと幼い頃から分かっていた。
兄さんにその事を話すと肩に優しく手を置いてくれて。目の前でひざまずき目を合わせて俺とお前の使命それぞれを果して行こうとそう言ってくれた。
兄さんは出来損ないなんかじゃない。さっきから父さんもウェイドやタイラーを含めてロザリアの兵達はずっと。兄さんのことを話しているのに。
そう言葉にしたかったけれど。兄さんも僕もこの現実は変えられない。
月が満ちたあの日の夜に同じ青い瞳を見つめて。静かに頷いた。

来た時からあの人がクライヴへ向けるまなざしは軽蔑、だった。
私はお母さんの思い出がほとんどない。だけど、あの人がクライヴへ向けるそれが、彼にはどうにもならない現実をさらに冷たく刺す。
彼の傍でじっとその青い瞳を見つめた。
あなたがここにいる、いてくれる。ちゃんとそのことに意味があるの。
刺すような冷たいまなざし。
そうならないようにとちゃんと願っていたはずだった。
笑うことなく、目の前の相手をー氷の魔法とレイピアで刺し通すのと同じ様に冷たい目線で捉え…終わった後は拘束されたまま檻へと放り込まれる日々だった。
あなたとまた会えて—…生きてくれていたから。あなたが生きている意味はあるのだと語りながらその青い瞳をまた見つめた。
月が満ち、赤い星であるメティアが瞬く夜だった。その瞳は戸惑い揺らめき。私が伝えたことを受け入れようとしている。
帰る場所をまた失った後もそのまなざしを受け止めていた。受け入れるのは、出来なかった。

目に前にいる弟をまっすぐに己の瞳にて捉えた。そのまなざしを。力強く抱きしめる。
ずっと、目覚めてからずっと。俺が知らなかった時にも同じ様に。
会いたいと想ってくれていたんだな。

捕らえられていた君へ顔を埋めるかのように力強く抱きしめた。
表情(かお)は見えない。だけどお互いの鼓動と、そのまなざしがどこに向けられているかは、分かるのだ。

真っ暗な夜。月がこの日も満ちていた。俺の手を取った君のまなざしを揺らぐことなく映す。
すべてを受け入れる。
涙を流しながら君もそうしてくれた。絡まる互いのまなざしから愛を伝える。


・2番手

(ガブ)

クライヴが皆にエールを振舞った夜更け—。

タブアンドクラウンから自分の部屋にふらふらと戻った者もいれば。床に3人ほど転がり他数名は酔ったままテーブルに突っ伏している者も。クライヴとジョシュアがやや呆れながらも優しく毛布をかけてやったりジルはメイヴやモリーと共に後片付けをしている。

(出来上がっているガブ、トルガルに寄り掛かりながら)
なあ、トルガル。
相棒って響き、良いもんだよな。
俺はさ、シドやクライヴみたいな働きは出来ない。
それでも、良いってあいつらは言ってくれるし。
俺はリーダーなんて柄じゃないし、代わりになるつもりもない。
だから一所懸命になれるんだよ。

どうした、トルガル。
お前の方がクライヴの為によく働いているじゃねえか。
え?本当に俺が酔っているのかって、お前鼻は効くんだろう。
あー、タルヤに告げ口は禁止な。
何言われるか分かったもんじゃない。
…カローンもダメだ。ゴーチェが謝りに行き辛かったの、俺もまあ分かる。
ちゃんと俺の方からカローンに話すよ。

(ガブ、視界にクライヴを入れて)

あいつの馬(チョコボ)って俺と同じで片目を怪我したんだよな。片目くらい、あいつの為なら何てことはないって凛としているよな、アンブロシアは。
俺はフーゴの野郎に隠れ家が襲撃されている時何が起きているか怖くて分からなかった。だけど、シドがさ。
クライヴとジルのことを当てに…いや、違うな。あいつなりにちゃんと人として接していた。家族を奪われて、復讐に燃え滾っていた俺やルボルへ居場所や道を教えてくれたみたいに。
とにかくこれだけは、絶対に…失っちまったら駄目だって必死にシドの部屋に向かって。
脇に抱えながら崩れていく俺たちのかつての家を後にひたすら走って走って逃げた。

向こうから見りゃさ。俺たちは詰まらないかも寄せ集めかも知れねえ。
けど、何もしない訳には行かないさ。俺には皆を引っ張っていくような才能はねえ。
想いだけじゃ、何にもならねえ。
だけど偶には愚痴っても良いよな。
俺はリーダーじゃなくて良い。
失ったものの重さを知ってそれを背負っているあいつの助けになれれば。
お前がジョシュアとの誓いを最後まで貫いて—…人として生きることを俺たちの為に、お前がシドから受け継いだ遺産が、そうなったんだから。前に進むお前の為に活躍するだけさ。

俺は2番手で良いんだ。

相棒として、最後まで。エッダさんとエッダさんの子どもを家族として見守りながら。
あいつが望んでくれたように、人らしく、俺らしく。
生きていくんだから。


クライヴ「…ガブ?よく眠っているな。トルガル付き合ってくれていたのか、ありがとう」


ヨーテと拠点メンバーの掃除係

まずは

ヨーテが主であるジョシュアから気遣いの魔法をかけてもらった後。
先にインビンシブル拠点に着いた。

ヨーテ「あそこが…」
オボルス「インビンシブル。あれも空の時代には飛んでいた飛空艇のひとつさ。クライヴが見つけたんだ」


見張り役のラドッシュからクライヴやジョシュアからここへ来るとストラスを通して伺っていましたと案内された。

掃除係の彼らが声を掛ける。
ゾラ「ジョシュアの体調に関して相談に乗って欲しいと医者のタルヤっていうんだけど。オットーが案内してくれる。そこにいる方があなたも良さそうね」
ツキモフ「その前に良いか」
ピーター「あんたの部屋になる場所は前もって掃除しておいたんだけどさ。一目見てまず気になることがあったら遠慮なく言ってくれ」
ゾラ「男連中に言いづらかったら私にだね」
ツキモフ「けど、ジョシュアの部屋なら俺たちの方が良いだろう」
ヨーテ「ジョシュア様の…」
ゾラ「クライヴが言っていた通りだね。ジョシュアをよく気遣っている娘だと。とても感謝していたよ。先にジョシュアの部屋を見てもらおうか。ああ、期待って言い方もおかしいけど」
ツキモフ「まあ簡素ではある。それで良いって言ってくれるが。あんたはずっとそばにいてくれたんだろう。
ならジョシュアが口に出さなくても必要なものはすぐに気づいてくれるな」
ピーター「ここを出ている間もきちんと綺麗にしているぜ!」

掃除係なんて目立たない仕事だって思われるだろうけど。
クライヴもジョシュアも。そしてジルも。
戻ってくるといつも綺麗にしてくれてありがとうって。
俺たちの働きをよくねぎらってくれる。

ゾラ「コツはほうきの中心をちょっと濡らすんだ。そうすると埃がたたない」
ピーター「インビンシブルでどんどん“人”が増えて行っているからな。換気良くしている分、埃も大変だ。雨の日だと雨漏りがなあ…」
ツキモフ「皆で暮らしていくと感じられる、ここはみんなで生きているんだなあって実感するぜ。あんたもすぐ分かるさ。ああ、うるさいのもすぐ慣れるさ」

ヨーテ「そうですか」

ジョシュアの簡素な部屋を眺めた後。
花があると嬉しいですね。そうひと言添えた彼女の言葉に3人とも頷いて。
植物園があるんだ、まずはひと通り案内してやるよと控えめな彼女を明るく彼らは促がして。

そうしてヨーテはひとつひとつ。
ひとりひとりのここでの生活を観察して、旅の記録と同じく書き留めていく。


拠点の皆とジル。
ちょっとだけクライヴ→ジル



先に人に戻されてからふとした瞬間にバイロン叔父さんが明かしてくれたクライヴが嘘をつく癖が気になっているジルちゃん。

本人には当然尋ねられないので、この5年間を過ごして来た皆にクライヴこと(癖)で気になっていることがあるかとジョシュアと出ている間に尋ねて見た。


ガブ「あいつ考え事している間は腕を組んだ後は手を顎に当てて…て、そりゃジョシュアも同じか。やっぱり血の繋がった兄弟なんだよなあ…」
その後は出産間近なエッダが居る医務室に視線を向け。
ここは寄せ集めな家族だけどさ。血が繋がっているテトやクロも居る。両親はフーゴの野郎のせいで亡くなって。俺も家族を失った直後は寂しかったから。大切な人が消えてしまったエッダさんもそうだけどさ、代わりで全部が埋まる訳じゃない。けど、繋がりがある意味を大切にしたいよなと語ってくれた。

オットー「気になっているというか…あいつをここのリーダーに押したのは俺だからな。シドについて行くと決めたのと同じように俺はあいつを支えると決めた。」
ジル、お前の想いや決意は俺とは発端が違うんだろう。
背負わせてしまっているという…自覚はあるんだ。あいつはずっと俺たちの分までと想ってくれている。
頼りにしているとクライヴの顔や瞳を見たら分かるぜ。リーダーになると決めたあのと変わっていないからな。
だからこそ最後までやり遂げる。それが俺の覚悟だ。

タルヤ「クライヴのことで気になっているのって…施術の後もまだ熱が下がっていないのにこれでもう外で動けるようになるとすぐ出て行こうとしていたわよね」
腕の怪我を縫ってやったかと思ったらこちらの言う事なんて聞く耳も…本当は持っているんでしょうけど、案の定、よ。飛び出して行ってしまうし。手綱なんて取れないわよ。
ジル、あなたは彼が子どもの頃からそうだったとよく知っているのでしょう。
小さい頃から誰かを助けようとしていたの。
あなたもその中に含まれている。そして、私も。
だからこそ、この仕事を続けなければならないの。刻印が消えた後も、人の命そのものへ問いかけは続く。


ゴーチェ「クライヴの癖か…」
デシレー「ちょっと気になっていたのでジルさんへこちらから尋ねて良いですか?」

旅の最中もそうなのですが。
クライヴはジルさんに対して外ではどのように接しておられるのですか。

何かあればそっと優しく引き寄せてくれて。
危険があればそこから守るようにしっかりと肩を掴んで腕の中へ。
そして足元が危ないと先へ行く彼は分かると手を差し伸べてくれる。
冷え込む夜は焚き火の傍でどちらかともなく寄り添って…今はジョシュアと3人で、ね。
そうして夜が明けるまでトルガルやアンブロシアたちと休息をとるの。

ジルの淡々とした事実を語るその様子にふたりは目を丸くしながら。
ゴーチェ「すごく、分かりやすいな」
デシレー「距離感というのでしょうか、兎に角近いんですね…」

よく手を取り合ったりもしているの。そう考えると子どもの頃の方があまりしてこなかったかもねと微笑んで伝えて上げた。

ゴーチェ「癖っていうか…」
デシレー「自然に出来てしまうんですね…」
ゴーチェ「ある意味ジルだからかなあ」
デシレー「まあ、皆さんもう分かっておられる仲ですし…」

気になっている癖について尋ねて見れば。
いつの間にか。
彼と彼らが紡いできた愛おしい軌跡がこのインビンシブル内で色と織物を縫うかのように形を成していると気づけた日となった。


好かれる(拠点メンバー)

ジョスラン「ここでいちばん動物に好かれるのって誰だろう」
アルトゥル「クライヴじゃない?トルガルとずっと一緒だし」
エメ「トルガルはカローンの傍によくいるけどね」

シャーリー「みんなへ休憩時間に聞きに行ってみなさいな」

クライヴ「俺か?トルガルならジルやジョシュアにもよく懐いているさ」
ジャッキンはどうだと屋外に出て行く3人。

ジャッキン「グツかなあ。僕が騒ぐと鳥さん達は逃げるけどグツが慌てていても逃げないし」
グツ「お、俺、もっと強くなる!」
強くなることと鳥が慌てて逃げることに何の関わりがあるのかさっぱりなままサロンに戻ることにした3人。
オーガスト「おっ、どうしたお前ら…なるほど。動物に好かれる、ね。
意外とブラックソーンはそうかもな」
ジョスラン「え?何で?全然近寄らないけど」
オーガスト「けど、あいつの鍛治場はカローンの店の近く…そしてグツやジャッキンのすぐ側だろ」
うんうんと頷く3人。
オーガスト「あれほどふいごが熱あって鉄を叩く音もすごく響くのに鳥たちは逃げない。
ここも羽ばたくあいつらにとっては縄張りみたいなもんだが…その側で休みに来るくらいだからな。あいつは危害を加えないって本能で分かるんだろ。生み出す武器は俺らの生命線、それだけ自分の仕事に全身全霊集中している。その剣を携えている俺らの方がよっぽど警戒されるんだ」
アルトゥル「ここにいるみんながいじめないって思っているのかも」
エメ「残ったパンくず、あげたりするもんね」
オーガスト「それも、ここらしいってやつだな」
「「「うん!」」」

その夜。タブアンドクラウンにて。
オーガスト「とまあ子供たちに話してやっておいたぜ」
ブラックソーン「余計なことを…」
クライヴ「オーガストや俺たちも感謝しているんだ。それにあながち間違っていない」
ブラックソーン「どういう意味だ」
クライヴ「俺だけがネクタールと話が出来るだろう。シドの拠点に来て間もない頃、あいつはお前の鍛治にすごく興味を示していたんだ」
オーガスト「へえ、初めて知ったぜ」
クライヴ「シドに付いていった時からブラックソーン、お前に確かにあるものに惹きつけてられているのだろうなそう思っていた。
俺の剣の鍛治をずっと任せられるのもそれが変わらないからだ」
ブラックソーン「元々モーグリは好奇心旺盛だ」
クライヴ「けど、怖がりでもあるんだ。ネクタールと話をしているとそう感じる。あいつはここから出て行こうとはしないし、石の剣の皆の報告をよく纏めている」
オーガスト「好いているし、頼りにしているんだよ、俺たちも」
ブラックソーン「カローンの前では言うなよ。一方的に睨まれてはたまらん」
クライヴ「カローンへはスタールビー以外にまた礼を送るさ」


※シドルファスが拠点を設立した初期メンバーも大好きです。
生き物に避けられるのってガブとかミドとかバイロン叔父さんかな(笑)
ムードメーカーなんですけどね(笑)