色々なキャラで。コメディ・ほのぼの・シリアス。

そっくり(クライヴ・トルガル・ジョシュア・ジル)


ミドの大工房にて—。
ミド「ピナクル(羅針盤を収めた装置)がここにあるから…ミスリル装甲で…エンジンがスクリューを動かして…」
少し小首を傾げながらミドを見つめるクライヴ。
クライヴ(熱心だな…言っている装置の名前は俺の耳に慣れないものばかりだが…シドなら分かるのだろうな)
階段上からその様子を見ていたジョシュア。
ジョシュア(声を掛けようと思ったのだけど…今はミドの為の時間だね)
静かにその場を去ってからサロンに来たジョシュア。ガブとトルガルが何やらやり取りをしている―。
(2枚のスケッチ?をトルガルに見せながら)ガブ「なあトルガル。クライヴが白銀のチョコボの羽を取って来てくれたからエッダさんへのお守りを作れるんだが…
どっちがいい?」
トルガル(小首を傾げながら)「…‥‥‥‥ワフ🐺(こっち)」
ジョシュア「そっくりだなあ…)

協力者窓口でどの協力者を最優先していくか考えているロズフィールド兄弟。
クライヴ(考えるポーズを取る)「マーサがベアラーたちの居住場所をイーストプールに置きたいと」
ジョシュア(同じく考えるポーズを取って)「野党たちが徘徊していないか心配だね。
スリーリーズ湿地では幾人か見かけた。道中、追い払った方が良い。イサベラの所は逆にダルメキアへ帰れない商人たちが立ち往生したままだからせめて近くにアカシアがいないか退治しておこう」
ジル(ふたりともそっくりね…)

ジルをまだ連れて行く前—。
クライヴ「ジル、今から拠点を出る」
ジル「気をつけて。向こうから仕掛けてくることはもうないけれど…」
クライヴ「ああ…」(少しの間じっとジルを見つめる)
ジル「……」(同じくクライヴを見つめる)

ちょっと離れたところでふたりのそうしたやり取りを眺めていたジョシュア。
ジョシュア(小声で)「ふたりとも肝心なことを拠点では皆がいるから言わないの、そっくりなんだよね。トルガル、上手いこと僕が兄さんと話をつけるから。協力してくれる?」
トルガル「ワフ🐺」


ベネディクタに懐柔されているフーゴの小話。

・大地と風・

その巨体は大地の怒りを轟かせる。
土の属性を授かり。それ自体が強大な要塞のようである。
マザークリスタルドレイクファングは山脈と一体と化しており。
5つの協議会から成るダルメキア共和国は実質権力者としてクプカ卿に逆らえるものは存在しない。
後に売国奴を皇后として据えたザンブレク皇国もまた。賢人たちが権力に呑み込まれ神皇が彼女の言いなりとなり現人神のように誇り高ぶっていったように。
「フーゴ」
同盟国ではあるがその条約は骸と化している。最もマザークリスタル以外に資源が望めないこのヴァリスゼアでは現状として破棄も出来ない。
ダルメキア・ウォールード同盟国同士の会談は黄昏の時を迎えているヴァリスゼアと同じくよどんだ空気を纏ったまま、打ち切られた。
巨漢であるその男―タイタンと呼ばれる圧巻な巨人をその身に降ろすドミナント、フーゴに金髪でどこか冷淡な色気を放つ金髪のウォールードの女騎士が近づいた。彼女もまた風の属性を抱くガルーダのドミナントなのだ。残虐であらゆるものを切り刻んでいく。
「ベネディクタ、もういいのか」
「残念ながら。こっちのお偉い様、随分と煩いのよね。蠅みたいな内紛じゃうちの隊ももったいないから。ちょっと雑兵の訓練としてそれ相当の人数を送ると伝えたわ。あとベアラーたちも十数人。そっちは終わったら捨てるなり売りに出すなりお好きにどうぞ。
スレイプニルが指揮を。まあ彼も別に再訪する気はなくて、あくまで指示だけだけど」
「そうか、残念だ。久し振りに会えたのにな…」
意味ありげな含みがある笑みがこの男によく似合ったものだ。
「王になるのでしょう。その為の準備はあなたのことだもの、虎視眈々と進めている…」
「その時が来ればベネディクタ。お前が俺の隣に…」
両肩を力強く握り。男は女を自らにまるで取り込むような、貪るように距離を詰める。
「あら、いけないわよ。今はまだ、ね」
ベネディクタは優しくそれでいて誘い込むようにフーゴの頬に触れた。
意外にもフーゴはすっとベネディクタから離れた。
「…確かにな。王座に就くのは全てを手に入れてからだ」
「フーゴ。知ってる?タイタンは岩のような巨体。風は全くそれには敵わない。でもね、切り刻むような凶悪な風は岩を削り。狂暴だからこそ手は緩めない。
そうして長い時を経て風化させていくの、さらさらとね」
フーゴがすっと目を細めた。ベネディクタも上目遣いと唇で弧を描き挑発する。
「俺とお前のことを言っているのか。タイタンは大地とも直結する怒りの力だ。
地上だけでない、地下まで追いかけて追い詰めるさ。溶岩より熱いものを注いでやろう」
「あら、そこまでして欲しがってくれるなんて嬉しいわね」
頬をすりすりと色っぽく撫でながら。楽しみにしているわよ、とベネディクタはフーゴがこの場の別れを惜しむように印象づけていく。
彼が彼女を欲するように。情欲を抱くように。

後に、ひとりの男はドミナントの力と、マザークリスタルの吸収から与えられたエーテルごと。全身が石化に至り。
半身残ったその身も、ドレイクファング消滅と共に風化し滅んで行った。

大地はそれを受け入れない。風がすべて攫って行ってしまったから。
ひとりの王と彼の忠臣も傍観者のようにその終わりを語っていた。

彼らの主である理が求める存在ではなかったからだ。

その日から程なくしてある小さな集落が廃墟と化した。村人たちがひとりまたひとりと姿を消していったからだ。
日ごとに風化し壁も崩れ落ちた石粉は風によって運ばれてダルメキアの赤い土へと同化していった。
土の民も、また。
神話の時代が終わると共にその名称は歴史から姿を消していった。


・違い(ロズ兄弟+ジル)

ノルヴァーン砦近くでロストウィングがエーテル溜まりに沈み。生き残った彼らの為にアカシアと魔物退治を終え。
服に降りかかった血と汗でべたつくので近くにてジルが水浴びをしている。
アンブロシアに見張りを任せ、近くの橋の上でトルガルを挟んで兄弟ふたりで語り合っていた。

(川の流れる音を聞きながら)クライヴ「‥‥」
ジョシュア(小声で)「兄さん。ジルの石化は―」
クライヴ「シヴァを降ろさなくなったからな、軽減されている。タルヤが少し前に具合を診てくれて。石化の広がりが極めて緩やかになったと教えてくれた。お前はどうなんだ」
ジョシュア「薬はきちんと飲んでいる。兄さんほど前には出ないからね。後ろから魔法を直線状に乗せて放っただろう」
クライヴ「援護の心配はしていないさ」
ジョシュア「身体が心配だから、限界だと思ってジルから力を奪った、とでも?
前にも伝えたけれど僕はそう簡単にフェニックスの力を渡さないよ」
クライヴ「…分かっている」
そう答えるとクライヴは静かに橋に背もたれた。
トルガルはふたりを見上げながらパタパタと尻尾を振っている。
ジョシュアも揃って橋に寄り掛かり。
少し前にエッダがアルケーの空と教えてくれた変わり果てた空模様を見上げて僕だって分かっていると気配を放った。
ジョシュア「僕は小さい時から身体が弱かったから。母様がフェニックスを宿していなければ期待外れだったと嘆いていたのを三国同盟の式典を尋ねる為にノックしようとした扉の前で聞いた。貴族たちにまた馬鹿にされた、兄さんが宿すべきだったと」
クライヴ「自治領で杯を投げつけられてそう吐き捨てられた。…あの人にとっては俺の方が期待外れだったんだ。お前が母様の重圧に応えようと必死だった姿を見送る度に自分を責めていたよ」
それ以上に、そうクライヴは続ける。
クライヴ「お前の方から俺に手を差し伸べてくれた。産まれたばかりの時に微笑んで俺の指をぎゅっと握りしめてくれて。ナイトとして認められてすぐにまた手を取り父上の前に連れて行ってくれて…守ることの意味を教えてくれた」
ジョシュア「…僕が誰かを守ろうと決めたのは兄さんが始まりだ。身体も心も弱い僕だけど、お互いに使命を果たそうと約束してくれただろう。それが父さんみたいにロザリアだけでなくこのヴァリスゼア全体に変わった。そして僕と兄さんはこの世界に残されたドミナント。最後まで人なのだと証明して戦う。そうだろう?」
クライヴ「ああ、そうだ」
こうした時の兄の答え方には迷いがない。ひとつひとつの事を外から眺めながらそれでもと受け入れて来た自分とは異なる。
それを話したら後悔していることは沢山あると答えるのだろう。
やはりあなたはとインビンシブルで伝えたときと同じことを話そうとして―発するのをやめた。
違いがあるとは生まれてからすぐに気づいた。ずっと、あなたが宿す“べき”だったとそう思っていた。その方が相応しい、現実的だとそう考えて。真実を知った今となってはそれがいかに残酷な現実だったのかふたりで思い知らされて来た。引き離されてからは長かった。これからどれくらい本当の意味で一緒にいられるのかも分からない。
ただこれだけははっきりと言える―。
クライヴ「あの日と同じ決意が今も俺の中にある、ここに生きている」
ジョシュア「クライヴ兄さんとの誓い。僕にとってもそれは変わらない」
穏やかに微笑む兄と弟のそのやり取りをじっと眺めていた彼らにとっても大切な狼は後押しをするようにウォンと吠えた。
子どもの頃に3人で真剣に考えていた将来とは全く違っていても。
誓いそのものを決して失わなかった炎の絆を持つ兄弟ふたりの様子を少し遠くから静かに愛おしく眺めた後、白銀の髪を風に流して白い馬(チョコボ)の手綱を優しく引いて彼らの幼馴染は凛と歩み寄っていく。

・違い(ジョシュアとガブ、ディオン)

サロン内で語り合うジョシュアとガブ。
その前をジルが通りかかり、ふたりに丁寧にあいさつをする。

(インビンシブル内で颯爽とクライヴの部屋に向かうジルを見ながら)
ガブ「ジルは凛としているよな。ロザリスの中庭でジルを救出してからクライヴにはすぐ奴(フーゴ)を追ってもらって一緒に奴が放った魔物や部下たちと戦っていたんだけどよ。後で具合を崩したのが信じられないくらいあいつらを寄せ付けない毅然とした戦い方だった」
ジョシュア(本来ならジルは戦いを知らないままだったはずだ…)
「僕らの支えになろうと昔から傍にいてくれた。今は戦わなければならないとその覚悟でいてくれる」
ガブ「クライヴの馬(チョコボ)もそうなんだろ?」
ジョシュア「うん、そう易々と兄さんに魔物が寄り付かないように強烈な蹴りを魅せてくれる。兄さんが褒めているよ。アンブロシアもとても気高い」
最近になってクライヴとジルがそうした雰囲気を醸し出していると気づいたガブ、おう。と頷いて。意味ありげに笑みを浮かべて。
ガブ(それがあいつの好みなのな)「で。お前はどうなんだ、ジョシュア」
ジョシュア「どう見える?」
ガブ「俺に聞くのか。お前の従者の子とそうした感じじゃないってのは分かるさ」
ジョシュア「ヨーテは良くやってくれていてとても感謝している。僕はそうだね―愛すると決めたのなら最後まで貫く。そうする」
ガブ「それは義務からか?お前が家を受け継ぐと決められていたからか?バイロンさんだったら良い相手とか見つけてくれそうだけどな…」
ジョシュア「さあ…どうかな。…ガブ、失礼。席を外すよ」
ガブ(クライヴとは違って見えにくいところあるよな…)

真っ直ぐインビンシブル内のハッチから出て来たジョシュア、視線をディオンに向ける。
ジョシュア「失礼するよ、僕に何か用がある気配を感じたのにすぐに踵を返されたものだから…」
ディオン「いや、すまない。今後のことで確認しておきたい点があったのだが…。…聞くつもりはなかった」
ジョシュア「気にしていない。あなたと出会ったあの日…お互いに使命があるとそう感じていた。産まれてからすぐにドミナントであったと神皇と母が語り合っていて。あなたと僕はどこか似ているとそう感じていた」
ディオン「‥‥‥」
ジョシュア「ガブが指摘していたことはある意味では正しい。僕は決められた人と結ばれるのだと幼心にそう考えていた。父と母もそうだったから。
結果はあなたもご存知の通り。
貴族国家としての形態は崩れたが兄や叔父たちは放棄された三国同盟を起こし国と国ではなく人と人とが手を取り合おうとこれからのヴァリスゼアを考えている」
ディオン「あの日からすでに…理性的な判断を下していたのだな。そこは余とは違う」
ジョシュア「あなたの部下があなたの身を真摯に気遣ってくれていたからこそ。そうした彼との絆があったから。モースの書物だけではなく、僕の石化を見てあなたは僕の言葉を信じてくれた。彼にも感謝しています」
ディオン「余の方からも感謝する。テランスにはこの戦いの後にそのように伝えてくれないか」
ジョシュア「それはふたりで揃って話した方が良いでしょう。僕も兄もザンブレクの人々や竜騎士団の彼らには負い目がある」
ディオン「ここに来たのは約束とはいえ、余が決めたことだ。…3人でそうするか」
ジョシュア「兄さんが怒られるのはマードック将軍と僕を除いたらこれで3度目かな」
ディオン「ほう。兄弟喧嘩というものか」
ジョシュア「戻って来られたら結構見られると思いますよ」
ディオン「兄の方が折れるのか?いや、お前達のことだ。お互いに笑い合っている姿が思い浮かぶ」
戻ることはないだろうという決意と覚悟を3人で受け入れ決めながら。
こうした軽口とも違う。本来の願いをここ(インビンシブル)でなら語れる。オリジンへ最後の戦いの直前まではこうでありたいとジョシュアとディオンは切なくも柔らかなやり取りを交わしていった。


・うらやましい(色んなキャラたちで)

・少年期のクライヴとジョシュア
ジルからチョコボの雛が産まれたと聞いて、こっそり屋敷を抜け出したジョシュア。
ジョシュア「チョコボはふわふわしていて可愛いな」
クライヴ「アンブロシアが小さかった時を思い出すな。あっという間に俺と狩りが出来るくらい成鳥した」
小トルガル(じー…)「キャン🐺」
ジョシュア「あ…」
ジョシュアが近づいてトルガルを抱っこする。クライヴは頭をぽんと撫でる。
クライヴ「大丈夫だ、トルガルも大物になると父上もロザリアの騎士たちも口を揃えて言っている。その時は一緒に狩りに出よう」
ジョシュア(僕も一緒に行きたいな…)「そろそろ母様が帰ってくるから先に屋敷に戻るね」
クライヴ「馬(チョコボ)のにおいが引っ付いたままだと疑われるぞ」
ジョシュア「そう思ってね、部屋にハーブを侍女たちに頼んで飾ってもらったんだ。その中には本で読んだ墓荒らしが黒死病にかからないように体を洗った混合液の主成分もある。身体が弱い僕に効くか試してみたんだと伝えれば母様も引っ込むでしょう?」
クライヴ「お前のその頭の回転の速さと手際の良さには驚くよ」
ジョシュア(僕は兄さんみたいに戦えないから)
うらやましいと思う以前に、兄さんが受け継ぐべきだったのだ。そうであって欲しかった。それが叶わないのであれば知恵を働かせて、支えてくれる兄と協力して乗り越えていくしかない。
後に離れ離れとなった弟は本を通して真実と現実を知り—。兄との誓いからこの世界の理(おきて)を乗り越えることを決心するのだ。

・とある竜騎士さん(日記風味)
今日はディオン様が3回お声を掛けて下さった。テランスは5回だ。
正直テランスがうらやましい。明日は負けないように次の戦地でもっと戦果を上げようと思う。

・ノースリーチの門番兵
ノースリーチ―マダムことイサベラと出会い。彼女が頼みたいことがあると、信頼を得る為に相談に乗ることにしたクライヴ。
門番兵A「おい、お前」
クライヴ「‥‥」
門番兵A「マダムに拾ってもらえるとは、運が良かったな色男」
後ろからトルガルが付いて行き通り抜けていく。
門番兵(あの狼もマダムの目に適ったのか…うらやましい奴)
門番兵B「おい、気配が駄々洩れだ。なあにマダムはこの街を纏めてくれているがそれ故に誰のものともならないさ」
門番兵A「けどよ、あいつを見る目がちょっと他の奴と違っていなかったか?」
門番兵B「そうか?まああの人の素性は誰にも分からないからな。だからこそ、良いんだ」
門番兵A「ああ、そうだな」

・ボクラド市場市場にて自治領までの通行を見張るダルメキア兵
周りの騒ぎや呻きを見渡しながら—。
クライヴ「ここ最近はずっとこうなのか」
ダルメキア兵「ああ、マザークリスタルが消滅してクリスタルの配給が無くなっているからな…。朝から晩まで気が休まる時がないぜ、全く…」
クライヴ「酒場のマスターからとっておきがあると伝えてくれと言われて来たんだが…」
ダルメキア兵「そりゃあありがたい!ちょうど交代の時間だ、今すぐ行くぜ」
市場に出てから―。
ダルメキア兵「通行所付近は乾燥と日差しが強いから安い酒でも喉は潤せるんだがあのマスターのとっておきと言われると楽しみで仕方ないぜ。後日何か礼をしたいんだが…」
クライヴ「ドレイクファングが無くなった後、せめて形を記念にと模ったパンを作った職人に出会った。ダリミルならそう遠くないはずだ」
ダルメキア兵「最近は小麦の収穫が少なくなっていると市場の奴もこぼしていたな。よし、商い人に頼んで取り寄せてもらうか。
クリスタルが消滅したり戦がなければ俺もここから好きに動けるんだがな」
クライヴ「‥‥‥」
ダルメキア兵「まあ、他に動ける奴をうらやましく思っても仕方がない。ここを難民街みたいに無法地帯には出来ないからな。ひとまず皆で乾杯とするぜ。呼びに来てくれてありがとな」
クライヴ(混沌としている情勢を食い止めるために残る、か…)

・キエルとディオン
持ち合わせも無く、料理-温かいものはないんですけどね―の仕度をしているキエルの手伝いも出来ないので何となく居心地が悪そうなディオンが小さなテーブルについている。
キエル「よくここに住んでいる人たちが言っていたんです。自治領の中心街に居住を構えている貴族たちがうらやましいって」
ディオン「……」
キエル「劇を見て華やかな衣装の舞踏会で貴族たちだけの交流を楽しんで。高価なお酒を飲んで美味しいものをたくさん食べて。毎日を豪勢に楽しんでいるんだろうって」
ディオン「君も…そのように思っていたのか…?」
キエル「中心街に薬を売りに出た時に気が付いたのです。皆ひとときひとときの楽しみの為だけに生きようとしているんだって。目の前のこと、色んなものから目を背けながら。それと…」
あなたがバハムートの姿で苦しんでいた姿を見た時、そうじゃないって分かった。
キエル「ずっとずっと耐えていたの、知らなかった。バハムートが護ってくれる。皆そう言っていたから。あなたの苦しみに気づかなかった。だからお薬もこれもせめてものお詫びなんです」
ディオン「…余の方が詫びるべきだ」
キエル「それは私だけじゃない、ですよね。あなたは護りにまた向かっていく」
小さく刻まれたパンにりんごの皮ジャムをちょっと足しながら少女は続ける。
キエル「貴族の人がうらやましい。最初からそう決めつけないようにこれからしていきます。あなたと出会えてそれを教えてもらえたから」